環境にやさしい医療:お灸

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今回の博覧会テーマのように現代は環境との関係が注目される時代です。

以前は「医療は命にかかわるので別物」という感じがしていたのですが、今では例外でなくなりました。
医薬品、医療器具などが製造から廃棄までの間にどれくらい環境に負荷をかけているかを考えてみましょう。
例えば「冷やす」ということですが、湿布薬と氷を比べてみましょう。
打撲をして治療院に来院された患者さんに「冷やしましたか?」と聞きます。するとほとんどの患者さんは「湿布が無かったから冷やさなかった」という返事をしてきます。薬屋さんの宣伝が行き届いているのか、冷たい水や氷で冷やせばいい事に気付かないようです。

このように、お灸は環境にもとても優しい医療だということがお分かりいただけると思います。
お灸療法は専門家が治療法として利用するほかに、古くから家庭療法として親しまれてきました。
その名残が「弘法の灸」として各地に残っています。

「湿布薬」

  • 工場で製造する時の環境への負担

Ø 原料の科学物質、電気、廃液など

  • 輸送、保存時の環境への負担

Ø トラック輸送等の排気ガス。

  • 使用後の環境への負担

Ø ゴミとして捨てられ燃やされる。

「冷水、氷」

  • 製造する時の環境への負担

Ø 電気。家庭で作れる。

Ø 冬ならただで手に入る。

  • 輸送、保存時の環境への負担

Ø ほとんど無い。

  • 使用後の環境への負担

Ø 水へと戻るだけ。

それでは、

「鍼灸治療」の場合はどうでしょうか?

  • 工場で製造するときの環境への負担

Ø 原料はよもぎ。廃棄物は皆無です。

  • 輸送、保存時の環境への負担

Ø トラック輸送等の排気ガス。

  • 使用後の環境への負担

Ø 治療後の灰は残りますが、結局はヨモギ。

Ø 排気ガスの発生。

耳にしてから久しく経過しますが、東海大学医学部麻酔学科教授の山下九三夫先生が鍼灸治療のことを「省エネの医学」と呼び「効果もあり医療費の抑制にもなるのでもっと利用すべきだ」とよく話をされていました。
今あらためてその意義を考えて欲しいと思います。

2005年4月29日
愛知万博中部千年共生村ワークショップ「千年の癒しやいと」にて開催された内容を基に編集しています

佐藤学(さとうまなぶ)
●はり師・きゅう師。あん摩・マッサージ・指圧師。柔道整復師。
東京教育大学理療科教員養成施設卒。
関西鍼灸大学名誉教授故和田清吉先生に師事。
病院勤務、鍼灸院助手をへて名古屋市南区で父が始めた佐藤鍼灸院を引き継ぐ。
●平成16年4月から
河合塾学園、トライデントスポーツ健康科学専門学校はりきゅう学科講師を務める。

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