八綱弁証について

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【八綱弁証について】

八綱とは、陰陽・虚実・表裏・寒熱の八つを意味しています。

《陰陽・表裏について》

陰陽とは、既にお話をした様に病気を大きく2つに分ける方法です。
表裏とは、急性の病気や身体の浅い部分の疾患を表、慢性の病気や身体の深い部分の疾患は裏というわけ方です。

《虚実》

虚実の虚とは、身体の機能が低下したような状態のことを指し、実とは身体の機能が亢進したような状態のことを言います。
例えば
虚の症状)食欲がなくて食べられない、足腰が冷える、血圧が低い、貧血症など・・・。
実の症状)食べ過ぎて胃がもたれる、熱がある病気、血圧が高いなど、・・・。

《寒熱》

寒熱については、文字通り‘冷えの病気か、熱の病気か’ということです。
基本的な考えとしては、冷えの病にはお灸を使い、熱の病には鍼を使います。あくまで基本的な捉え方で単純に病気を冷えと熱に分けるだけではありません。例えば、一日に何時間もコンピューター作業をする人や、人一倍他人に気を遣う人、人間関係・家庭の事や、健康の事などで悩みのある人など、・・・。絶えず頭を使う為に、気が上の方に偏り、その反面下半身に気が巡らず弱っている状態を上実下虚といいます。この状態の治療法は、昔から頭寒足熱と言われるように頭は冷やして脚を温めることです。家庭治療の場合、脚にカイロを貼るとか、靴下を重ね履くなど脚を温め、頭には氷枕や、冷却シートを貼るなどの対処法が有効です。治療家が行う場合は、頭の方には鍼を使い、足下にはお灸をするということになります。
余談ですが、使い捨てカイロの上手な使い方を今日は覚えて帰ってください。

  1. 風邪のひき始め(背中がぞくぞくした時)
    首の後ろに貼ります。花粉症にもある程度有効です。
  2. お腹の調子が悪い時(特に冷えを伴っている場合)
    おへその上に貼ってください。ただし、お腹を押さえて痛みがある場合は止めてください。
  3. 脚が冷える時、または脚が重たい時
    腰にカイロを貼ってください。ちょうどおへその裏あたりです。

このように冷え性を伴った病の場合カイロを上手く使うと随分と楽になります。ただ、カイロの場合はあくまで症状に対する治療であり原因に対する治療にはなっていません。病気の原因がどこにあるのかを診断し、的確な治療をするにはお灸でなければ出来ません。是非一度お近くの鍼灸院で治療を受けてどこにお灸をすればよいのかお尋ね下さい。きっと優しく親切に教えてくれる事と思います。これらの、陰陽・虚実・表裏・寒熱を分析したら、次は治療ということになります。前述してますように、東洋医学では虚実と寒熱を中心に病気を据えていきます。

《補寫》

『補』

虚の病気に対しては、補法(ホホウ)という治療を使います。
補う方法と書いて、ホホウといいます。虚という機能が低下した病気に対して、その機能を高めてあげようという治療です。体が弱ってでてくる病気ですから、その治療は本当に軽い刺激で行うことになりま。

『寫』

逆に実の病気にに対しては、寫法(シャホウ)という治療を使います。
実の病気とは、機能が亢進した状態ですから、強い刺激で亢進した機能を抑えます。強い刺激を与えて、亢進している機能を抑えてやるという治療法です。「私には鍼が合う」とか「私には鍼が合わない」という声をよく耳にしますが、実はその人の身体に鍼が合うとか合わないという事はありません。その病気に対して鍼が合うか合わないかということは確かにありますが、身体に合うとか合わないとかいうことは無いのです。例えば、身体の弱い虚の患者さんに対して強い刺激の寫法をしたとか、逆に機能が亢進している実の患者さんに対して補法を行ったなど間違った治療をした結果です。
このように虚実の判断は非常に重要になってくるのです。

《癌(がん)について》

虚実の治療に関して、一番難しいのは「癌(がん)」の治療です。
癌(がん)でも初期の場合は、症状は実ですから寫法で癌(がん)をどんどん叩きます。これは西洋医学でも同じです。ところが、ある程度癌(がん)も進んでくると身体そのものが弱ってきます。その時は身体の気力を高めるように補法も加えます。さらに癌(がん)が進行して、身体の衰弱がひどくなってくると、今度は補法が中心の治療になってきます。癌の場合この補寫を間違えると、癌(がん)の進行を進めたり、或いは患者の体力を奪ってしまう事にもなりかねないのです。

2005年5月1日、5月3日
愛知万博中部千年共生村ワークショップ「千年の癒しやいと」にて開催された内容を基に編集しています。

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