店頭から街道を眺める風景も時代と共に様変わりしたことでしょう。

中山道を往来する旅人が柏原宿に来ると我先にと買い求めた「伊吹モグサ」。
当時の柏原宿にはモグサ屋だけでも十数軒あったとか。(篩モグサをご参照ください。)
明治時代に入ると東海道線が東京-神戸間に開通し、1900年(明治23年)には柏原駅が開業。
以来、「頭に菅笠、縞の道中合羽をはおり、肩には前後に振り分けた荷を下げた天秤棒」のような行商人の出で立ちは少なくなったかのように思います。現在では中山道を日本橋から京都まで(京都から日本橋まで)完歩されるリュック姿の旅人さんをよく見かけます。そんな旅人の方がふらりと立ち寄り往時の気持ちに浸る場所。「足の三里に灸据えて」、今でも続く光景です。

【奥の細道】
松尾芭蕉(1644~1694)

「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。船の上に生涯をうかべ馬の口とらへて 老いをむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。
(中略)
春立てる霞の空に、白川の関こえんと、そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて取もの手につかず、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかかりて、住める方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
草の戸も 住替る代ぞ ひなの家 面八句を庵の柱に懸置」

定価店頭販売のみ台紙付お灸広重旅人用パック60壮
内容量30壮×2枚
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お灸への適用範囲

透熱灸焦灼灸打膿灸八分灸知熱灸
××××
 隔物灸 台座灸 押灸 あぶり灸灸頭鍼
 ◎ ◎ × ××

お灸の適用範囲:もぐさの品質上の目安であり、当社製品内の比較です。

直接灸::もぐさを直接皮膚の上に置く

l  有痕灸(ゆうこんきゅう:痕が残る)

  透熱灸□

皮膚の上に直接モグサをひねったもぐさを立てて線香で火をつけて焼ききるお灸です。もぐさの大きさは灸法によってさまざまですが米粒大(べいりゅうだい)や半米粒代(はんべいりゅうだい)が基本です。

  焼灼灸□

魚の目やタコなど角質化した部位に据えます。硬くひねったもぐさによって角質化した部位を焼き落とすお灸です。角質化した部位にうまく当たれば熱さはあまり感じません。

  打膿灸□

大豆大から指頭大のもぐさを焼ききり、その部位に膏薬を塗って故意に化膿させるお灸です。大きな灸痕を残すため一部の灸療所でのみ行われ、家伝灸として伝えられています。
四ツ木の灸が有名です。

l  無痕灸(むこんきゅう:痕が残らない)

  八分灸□

米粒大くらいのもぐさをツボにのせ、線香などで火を点けます。
熱さを感じた瞬間にもぐさを押さえて押し消すお灸です。

  知熱灸□

大豆程度の大きさのもぐさを直接患部へ据え、熱さを感じたらピンセットなどで