お灸の故郷、伊吹もぐさ亀屋佐京商店工場見学

伊吹山の麓、中山道の街道沿いに江戸期から変わらぬ風景で皆様をお出迎え。手作り感満載の工場案内ですが、そこには「伊吹もぐさ」の全てが有ります。百聞は一見に如かず!!五感をフルに働かせるもぐさ製造の現場をお楽しみください。

伊吹もぐさ工場見学趣旨

  • なぜ今、もぐさ製造現場の見学会を行おうと思ったのか?
    「伊吹もぐさの製造に関する講演」に伺うたびに幾度となく感じた言葉では伝えきれないという思いからでした。
    講演では「もぐさ造り」の各々の工程から生産できる商品サンプルをビニール袋に入れ持参し聴講頂く生徒(学生)の皆様にお見せしたり、作業工程の臨場感を出来る限りお伝えできるようにパワーポイントには写真以外に動画も取り入れてお話をしているのですが、どうにも我々のの拙い説明では全てを伝えきることが出来ず、何とかお伝え出来ないモノだろうかと思案いたしましたが、やはりここはもぐさの製造現場を実際にご覧頂く、『お灸の故郷、伊吹もぐさ亀屋佐京商店工場見学』に限るという結論に達しました。
  • 工場見学で何を提供できるのか?
    原料のヨモギから一番精製度合いの高い点灸用もぐさの完成品までを原料順にまた工程順に見て、触れて、嗅いで感じて頂く。
    未完成品として市場に決して出回らない原料を五感で感じて頂く。
    精製工程の段階で削がれてしまう欠落原料(=不純物)はお金を払っても手にする事の出来ない商材です。
    実際に工場見学で弊社を訪れた方とそうではない方との一番大きな差はこの不純物に触れたか触れていないかの点になります。
    不純物を手に取って頂く事でモグサの商品価値を改めて実感して頂ければと考えています。
    更に、家伝もぐさの製造に関する弊社の想いや歴史的かつ地理的な背景などもご説明申し上げています。
    商品として販売されているモノはその代金を支払いさえすれば必ず手に入れることは出来るのです。
    お金では決して手に入れる事の出来ない素晴らしい経験をを是非「亀屋もぐさ工場見学」で体験して下さい。
  • リクエストをお願いする先は?
    限られた人員と時間を考えると正直全てのリクエストにお応えする事は不可能です。
     ご興味のある学校様(きゅう師を育成する教育課程を有する)はお気軽にお問い合わせ下さい。担当者が工場見学に関しての詳しい説明をしにお伺いいたします。
    ※大変に心苦しいのですが鍼灸師を目指す学生さんからの直接のお申し込みはお断りしています。

お願い事項

    • 弊社敷地内に於いて指定されたエリア以外でのお写真等の撮影は固くお断りをしています。
    • 工場見学後に工場からの原料及び製造物の持ち出しは厳禁です。
    • 見学中は常に密状態を避けるようにご協力ください。

工場見学コース概略

  • 工場見学の開催月は11月限定。お時間は60分から90分程度必要です。
  • 工場内は土足禁止です。お履き物をご持参ください。
  • 機械装置等を稼働させますと、よもぎの粉など微粒子が相当量飛散します。汚れてもよい服装でご参加下さい。(基本的に服を払えば汚れは落とせます)
  • マスク及びタオルは必ずご持参ください。
  • 新型コロナウイルス感染症対策として、見学をされる方もフェイスシールドを装着して頂きます。
    (お手数をお掛けしますが各人でご用意ください)
    2022年度工場見学ではフェイスシールドの必要は御座いません。

よもぎの収穫

  1. 工場のある柏原宿と伊吹山との位置関係を確認していただきます。
    もぐさ工場から眺める伊吹山
  2. もぐさの原料となるよもぎが自生している事、そして伊吹山を眺めるこの場所でもよもぎが収穫されもぐさの原料となっている事を説明しています。(但し工場見学時期はよもぎの収穫期では無いために実際に収穫作業は行いません。)
    よもぎの収穫

よもぎの乾燥

  1. 「もぐさの原料は?」と見学中に学生の方々にお尋ねすると、元気よく「よもぎ」と解答を頂きます。もちろん正解です。でも時間を費やしはるばる遠方よりお越しいただいているわけですからより深く更に詳しく正解を求めねばなりません。満点の解答は『よもぎの葉』となります。採取した原料はヨモギの葉と軸とに分別されます。
    よもぎ葉
  2. 天日乾燥(お日様の光による乾燥)を行います。真夏の日差しで1週間から10日。よもぎ葉を手で握りつぶしパシパシパシと音が鳴れば乾燥の状態が合格だと判断します。
    よもぎの乾燥葉
  3. 石臼作業に入る直前に乾燥作業をもう一度行います。よもぎの収穫直後に行う天日乾燥に対しこちらの作業は機械による機械乾燥になります。乾燥状態に関しては、これでもかという程によもぎ葉を乾燥させます。適当に書いて〜と思われた方も居られるやもしれませんが、夏から冬までの約半年間、気候や気温、湿度なども毎年違う為に「これでもか」と言う表現になります。不可能な目標ですが含水率0パーセントを目指しています。画像は乾燥機のメンテナンス風景です。もぐさを製造する者にとって最も大切なことは工程作業の安全確保だと思います。そして一番恐ろしく一番気を付けなければならない失態が火事です。もぐさは燃え草が転訛して出来たとも言われる言葉です。その着火性は素早く先の大戦では灸治の役割としてのもぐさ以外にも火種としての役割が有ったほどです。弊社も新潟にあった工場を大火で消失し近隣住民の方々に多大なご迷惑をお掛けしました。その苦い経験から火事は絶対に起こさない決意で乾燥機を探しました。
    乾燥機のメンテナンス風景乾燥機のメンテナンス。全てを燃やし尽くす火事はもぐさ作りには最も大敵です。
    お灸をすえる時も同じです。健康第一と同じく火の用事が最も望まれます。

石臼行程

  1. 乾燥機械から出された原料は一度粗挽きします。この状態のもぐさが粗挽き温灸竹印ということになります。
  2. 製造するもぐさの種類にもよりますが粗挽きした原料を石臼で二度挽きします。石臼はその対象物を擦りながら潰すという2面の作業を同時に進行できる優れた機能を有する道具です。余談ですがその物理的な基本機能はこれ以上に発展しない最終形態の道具です。
工場見学または出張講演でご覧いただけます。

精製工程

工場見学にお越しいただき最も集中して頂きたい時間は精製工程により排出され、商品化されず産業廃棄物として処分されていく原料の残渣を手に取って確認して頂く瞬間。お金を払っても購入することもまた普段では絶対に見ることも出来ないお宝です。弊社の工場見学に参加いただいた学生さんにはマル秘公開しています。

  • 長遠し
    石臼で挽いた原料を長通しにかけます。長通しは円通しや円唐箕とも呼ばれます。いずれも形状は円筒です。円筒の精製装置を横に倒し更に回転させることで原料を精製します。円唐箕は円筒を強くイメージした呼称であり、長通しは円筒の長さが長く設計されているイメージを強く打ち出した呼び名です。円唐箕は精製工程一般の製造装置を唐箕と呼ぶことが多い事による道具名だと推測されます。
    長通し側面
  • 粗仕上げ用唐箕
    長通しから出てきた原料は、唐箕で更に精製します。この工程から排出される不純物の顔が確実に変化します。分かりますか?色に注目して下さい。
    大唐箕
  • 本仕上げ用唐箕
    ヨモギの葉の裏の白い毛を実体験して頂きます。生まれた初めて経験する感覚に工場見学に参加いただく皆さま全員から感嘆の声が上がります。
工場見学または出張講演でご覧いただけます。

 

  • 攪拌唐箕
    江戸時代後期の中山道柏原宿にはもぐさ屋が十数店軒を連ねており、そのほとんどの店の屋号が亀屋。街道を往来する旅人はどこでもぐさを買っても亀屋。良くても亀屋、悪くても亀屋。そんな亀屋の店主が集まり決めた作業が「最後は人の目で」。出荷前に行う唐箕作業を実践すること篩作業を行う事こそ伊吹もぐさの真骨頂。伊吹もぐさは柏原宿の店主達が生み出した先人達の知恵なのです。
    攪拌用唐箕
    これで工場見学の説明行程は終了です。終了後はお買い物を楽しんでいただいたり柏原宿を探索していただいたりしてお時間を過ごして頂いています。そして帰路につくバスに乗り込む前にはご参加いただいた皆様と集合写真をパシャリ。鍼灸師となられたいつかの日にこの集合写真をみて我々が丹精込めて製造したもぐさをそして亀屋の想いを思い起こしてください。

もぐさ工場見学実施先様との集合写真

2023

2022

2019

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2016

2015

2014

2013

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