鍼灸師会の集まりや医療機器メーカーのフェアーとは殊更縁の無い弊社ですが、今回は7年振りに三県合同鍼灸研修会へと参加してまいりました。取りあえず座って過ごす8時間と思っておりましたが、テーマが「お灸」という事もあり極めて興味深いお話ばかりで休日返上した甲斐が有りました。

Moxafricaの国際活動 今後の展開
Moxafrica japan 山川義人先生
Moxafricaさんのお名前は存じ上げておりました。実際に「もぐさの製造に関する講演-東京衛生学園専門学校様-2017」のブログ記事では東京衛生学園さんが使用済みのもぐさを回収してMoxafricaの事務局へ送られている趣旨の記事を書いていますし、NHKの特集でも同団体の活動が放送されていた記憶も有りました。それでも活動内容を直接お聞きする事は今回が初めてですし、その始まりが原志免太郎先生の論文だった事は浅からぬご縁を感じました。『お灸で結核を治療する事が出来る』もぐさ屋にとっては嬉しい報告でした。

透熱灸から電子温灸器まで
明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学会教授 和辻直先生
鍼灸大学教授のお話です。鍼灸大学に入学していたらこんな感じの講義を聞いていたのかなと思いながらスライドを眺めていました。ISOの分会の動きや治療家としての心得、また灸教育の現状など多岐にわたる報告や問題提起、今後の展開など業界の末席に座る私にすら心して取り掛からねばと思うお話でした。特に電気温灸器の治療院への導入意義とその後の展開に関してはこれまたもぐさ屋にとっては嬉しい報告でした。

伝統灸実技 墨灸
(一社)滋賀県鍼灸師会会長 井手健先生
同郷の滋賀県から講師としてお招きされた井手健先生。「モンモン」と呼ばれる滋賀県に唯一残る灸法に関しての説明と実技。駒井一雄先生の業績の紹介、秘伝であるはずの「墨灸」の製法!?大公開。墨灸治療法と症例などを淡々とした口調で解説頂きました。最後は実際に小児さんへの施灸。兎に角お母さんへの問いかけが優しい。平易な言葉を選び的確に自分の意思を相手に伝える技術/話術は流石でした。手に墨灸を付けて頂くと少しピリピリと感じます。これは墨に混ぜたある薬効の影響だとか。もぐさ屋としてはもっともっと色々と質問をしたかったのですが、初対面の事ですし、でも同じ滋賀県の先生ですからまたお会いする事も有るやもしれません。疑問はその時までの楽しみとして心の中で温めておきます。

おきゅうのこぼればなし
亀屋佐京商店 松浦達修先生
まず先生じゃないしと言いたいのですが、社会のルールですのでこのままに。先生方は90分の持ち時間で講演を行うのですが、ランチョンを受け持つ私は60分と短くしかも給仕に始まり後かたずけをする時間を考慮すると時間がとても足りません。早口にならず、練り上げた構成を飛ばすことなく大きな声で面白く。初めて行う内容の講演でしたが、お世辞だとしても皆様からは高評価を賜りました。素晴らしい経験が出来ました。

第53回三県合同鍼灸研修会1
おきゅうのこぼればなし1_第53回三県合同鍼灸研修会1
第53回三県合同鍼灸研修会2
おきゅうのこぼればなし2_第53回三県合同鍼灸研修会